校訓
「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。」マタイによる福音書7章12節
校長メッセージ
これからの時代を担う人を育てる教育がここにあります
これからの時代を担う子ども達に希望を与え、いきいきと生きる力を育てる教育の必要はますます高まっています。
三育教育は、こころ(愛)・あたま(知力)・からだ(実践力)、のバランスのとれた人物の育成をめざす教育です。
その根本は、キリスト教の精神を基礎にしています。それは、人はみな愛し愛されるために生まれ、かけがえのない存在として生かされているという神の愛に根ざした教育です。ここでは児童一人一人の個性が尊重され認められます。だから子ども達は、のびのびと生活し、個性を輝かせることができるのです。
札幌三育小学校ではMultiage class(多年齢学級教授法)を取り入れています。その中で児童は教え合い、助け合いながら学校生活を送っています。ここでは、年齢が違うことも能力差があることも、お互いが学び合うために必要なこととなります。小さな学校ですが、中身の濃い関わりがあります。競争ではなく、共に生き、支え合い、共に成長することのできる学び舎です。このような環境の中で子ども達は、人のために奉仕する喜びを味わい、喜びも苦しみも分かち合うことのできるコミュニケーション能力を磨いていくのです。
多くの体験活動を取り入れていることも大きな特色です。キャンパス内にある三育農園では、米や蕎麦、大豆、じゃがいも、さつま芋、とうもろこし、玉葱、トマトなどの野菜を栽培しています。児童は、種蒔きや苗植えをはじめ、除草作業、収穫や脱穀などを労作の時間に体験します。また、蕎麦は蕎麦打ちをして食べます。自分達が苦労して育てたものの味は、美味しく格別です。
三育農園での労作の他にも多くの自然体験活動があります。自然は、子ども達にとってすばらしい教科書でありフィールドです。子ども達は、自然の中での体験学習を通し、教科書や図鑑の中では学び得ない体全体や五感をフルに使った学習体験をします。
キリスト教の愛の精神に支えられ、また豊かな体験活動を通し、子ども達は人生を前向きに捉え、いきいきと生きていく力を身につけていきます。これからの時代を担う人物を育てる教育がここにあります。
札幌三育小学校校長 大河原一義
世界で最も欠乏しているもの
「世界で最も欠乏しているものは人物である。それは、売買されない人、魂の奥底から真実で正直な人、罪を罪とよぶのを恐れない人、磁石の針が南北を指示して変わらないように、良心が義務に忠実な人、天が落ちかかろうとしても正しいことのために立つ人、そういう人である。」(E.G.ホワイト著『教育』p.54)
三育の教育理念
神は、世界と宇宙の創造者であり、御自分の御像(みかたち)にかたどって人間を創造された。三育教育は、イエス・キリストに対する信仰によって、人間のうちに創造者の御像(みかたち)を回復し、地上における神の御業(みわざ)に献身する人間を育成する。
教育方針
児童一人一人は神様に愛されているかけがえのない子どもであるとの児童観に基づき、お互いが思いやりと共感を持って人や自然と関わることを通して、各人に与えられている個性や賜物を最大限に伸ばし、それらを喜んで用いることのできる人を育てる。
目指す子どもの姿
沿革
日本での三育教育の始まり
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1896(明治29)年
アメリカに本部を持つセブンスデー・アドベンチスト教会の宣教師W・C・グレンジャ-博士(カルフォニア州ヒルズバ-グ大学学長)が、日本人留学生大河平輝彦氏を同伴して日本におけるセブンスデー・アドベンチスト教会の初の宣教師として来日。
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1898(明治31)年
東京に「芝和英聖書学校」を開校。
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1919(大正8)年
キリスト教精神に基づく一貫教育の必要性に着目し、杉並村天沼に「天沼学院」小学部、中学部、高等部が開校。
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1926(昭和元) 年
千葉県房総半島の美しい松林の丘をキャンパスに選び、教師、生徒の手で日本三育学院を開校。
1949(昭和24)年
1947年4月1日から実施された教育基本法(第6条)や学校教育法(第2条)等によって学校法人設立の学校として日本各地に三育小学校が開校。
札幌での三育教育
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1951(昭和26)年
宣教師W・I・ヒリヤード博士の「札幌に教会小学校を設立する」という強い願いと札幌教会員の祈りと献身によって中央区南9条西16丁目に「札幌教会小学校」が開校。
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1971(昭和46)年
新校舎が落成し、校名が「札幌三育小学校」に改名。
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1972(昭和47)年
北区北35条西2丁目に「札幌三育保育園」(札幌三育幼稚園の前身)が開設。
1980(昭和55)年
函館三育小学校が開校。
1983(昭和58)年
北区北35条西2丁目に園舎を新築し「札幌三育幼稚園」が開園。
1988(昭和63)年
北区拓北4条1丁目に「札幌三育小学校」の校舎を移転新築。同時にスクールバスの運行を開始。
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1990(平成2)年
校歌が完成。
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1996(平成8)年
制服・校章が変更(系列校で同じデザインに統一)。
2003(平成15)年
時代の必要に即した三育教育の具現化をめざしてマルチエイジクラスを導入。
[1] 集計結果
- 子ども達は学校生活を楽しんでおり、活発に活動している。
- 様々な体験活動を通して心(徳育面)が育っている。
- 徳育面に高い評価があった。
- 徳育面と知育・学校生活・体育面とは、高い相関が見られた。→徳育を重視することで、これらが伸びる。
- 昨年の課題であった、マルチエイジ活動の充実に関しては、昨年に比べて高い評価を得ることができた。今年度は、休み時間などに上級生と下級生が一緒に遊んでいる場面が多く見られる。
- 知育と学校生活に高い相関が見られた。
[2] 学校に力を入れてほしいこと(保護者のニーズ)
- 思いやりややさしさを育む教育に力を入れる
- 社会のルールや決まりを守る指導に力を入れる
- わかりやすい授業をする。
2.児童アンケートの結果から
- 異学年と遊びますか
- 上級生(下級生)と過ごすのは楽しいですか
- 上級生はよくお世話してくれますか/下級生のお世話をよくしますか
- 学校生活は楽しいですか
- どの質問に対しても、前年度よりも高い数値
3.学力診断テストの結果(昨年度2月実施)
- どの学年も全国平均よりも高い
- 昨年よりも平均点が上がっている
- 1.2.3.5.6年(5学年)は、Aランク、4年は、Bランクの上
4.今年度の課題
[学習面]
- 学力向上—算数に関しては全学年TTを活用して個人的な必要にも対応
- 教員の指導力の向上—引き続き校内外での研修を行う。
- 教室環境を整えて、落ち着いて学習に取り組むことができるようにした。
[徳育面]
- 社会のマナーやルールの指導に力を入れる。
- 言葉遣いの指導を続けて力を入れる。(丁寧な言葉が使えるように)
三育教育ネットワーク
国内外ネットワーク
札幌三育小学校と同じ教育理念に基づいて三育教育を実践している大学は全世界に広がっています。国内には三育学院大学[看護学部]の1校ですが、世界にはアメリカやイギリスをはじめとする英語圏はもちろん、ヨーロッパ、アフリカ、中東、アジア、オセアニア、南米など世界中に100以上の大学が展開されており、世界有数の教育ネットワークを誇っています。 メディカルスクールやロースクール、ビジネススクール等の専門教育機関や大学院も充実しており、文字通り国境を越えてあらゆる学びが可能です。系列の広島三育学院高校の『英語コース』では半年間のニュージーランド留学を経験して海外の大学に留学をする生徒も多く存在しています。また、国内3か所に病院をもち、福祉事業として特別養護老人ホーム、ケアハウスの運営、菜食食品の製造販売を行う三育フーズ、NPO法人ADRAは東日本大震災復興支援や国際援助活動を行っている団体もまた三育グールプです。